小規模事業者持続化補助金の案内では、販売用の製品や量産品の製造費は補助の対象外とされています。補助金でOEM商品を作るとは、試作品の開発費や販促の外注費を補助金で一部まかない、販売用の製造費は自己資金や売上で払う組み方のことです。入金は実績報告を終えた後の精算払いで、発注は交付決定の後に限られます。前提は3つ。後払いであること、製造費そのものは対象外になりやすいこと、入金までの経費を自分で立て替えること。ブギウギ株式会社ではスキンケアなど化粧品区分の商材で100個程度から相談できるため、立て替える製造費を小さく抑えられます。
この記事の要点
補助金は事業完了後の精算払いで、販売用の製造費は対象外です。試作や販促を交付決定後に発注し、入金までの資金を先に用意します。
この記事でわかること
- 補助金が入るまでの順番と、採択と交付決定の違い
- OEMの製造費のうち、対象になる経費とならない経費
- 交付決定前に発注してはいけない理由と、見積との線引き
- 入金までのつなぎ資金をどこから出すか
- 実績報告に要る証拠書類、返還と課税、申請書類の担い手
補助金は精算払いで、製造費の原資にならない

補助金は、経費を払い終えて実績を報告した後に入る精算払いです。先に払う現金が無ければ、採択されても事業を進められません。
採択と交付決定は違う
採択は審査で選ばれた状態で、交付決定は補助対象の経費と金額が確定した状態です。補助金事務局の案内では、交付決定より前に発注した経費は補助の対象外とされています。採択の通知を受けても、交付決定が出るまで発注できません。
入金までの経費は自分で払う
事務局の案内では、補助事業の完了後に実績報告書と経理書類を提出し、事務局が補助金額を確定し、事業者が請求してから交付されます。この一連の流れが精算払いです。実績報告、確定検査、精算払いの請求、入金という順番。経費の支払いはすべてその前に終わっているので、立て替えの期間は事業の期間より長くなります。
OEMの製造費は補助金の対象になるか

製造費のすべてが対象になるわけではありません。対象経費は区分で決まっており、区分の外にある経費は補助されません。
試作品は対象、販売用の製造は対象外
事務局の案内では、補助対象経費の区分は機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、新商品開発費、借料、委託・外注費です。新商品開発費で対象になるのは試作品で、販売用の製品や量産品の製造費は対象外とされています。
| 経費 | 扱い | 区分 |
|---|---|---|
| 処方を確かめる試作品の開発費 | 対象になりやすい | 新商品開発費 |
| 100個や1,000個の販売用の製造費 | 対象外 | 区分に無い |
| チラシ、広告、パッケージの印刷 | 対象になりやすい | 広報費 |
| ECサイトの構築や改修 | 対象になりやすい | ウェブサイト関連費 |
| パッケージデザインの外注 | 対象になりやすい | 委託・外注費 |
OEMの見積で「試作費」と「製造費」が分かれているかを確かめてください。1本の金額にまとまっていると、対象と対象外を切り分けられません。費用の内訳は化粧品OEMの費用相場で整理しています。
パッケージや販促の外注は対象になりうる
補助金の目的は販路開拓です。商品そのものより、売るための取組にお金が付きます。パッケージデザイン、撮影、ランディングページ、モールへの出店準備といった外注は、区分に当てはまれば対象です。対象になるかの最終判断は公募要領と商工会議所の窓口で行い、申請書に書いた経費だけが対象になります。EC販売の準備にかかる項目はEC通販向け化粧品OEMで扱っています。
交付決定前に発注しない

OEMの発注日は、交付決定の日より後に置きます。見積を取る、経営計画を作る、申請する、までは交付決定の前で構いません。
見積は先に取り、発注は交付決定の後
見積は経費の支払いではないので、申請の準備として先に取ります。むしろ申請書に経費を書くために見積が要ります。発注書を出す、契約する、支払う、の3つは交付決定の後です。試作品の開発を補助対象にするなら、試作の発注も交付決定を待ちます。
| 交付決定の前にできること | 交付決定の後にすること |
|---|---|
| OEMメーカーに相談し見積を取る | 発注書を出す |
| 商工会議所と経営計画を作る | 契約し、支払う |
| 申請する | 実施期限までに納品と支払いを終える |
実施期限までに支払いまで終える
補助事業には実施期限があり、その日までに納品と支払いを終えた経費だけが対象です。製造期間が実施期限に収まるかを、発注前に確かめてください。 スキンケアなど化粧品区分の100個なら最短約1ヶ月〜、メイクアップやサプリメントは相談から納品まで約3ヶ月が目安です。実施期限が近い回次では、製造期間の長い商材は次の回次に回す判断になります。
つなぎ資金をどこから出すか

交付決定から入金までの経費は、自分で用意した現金で払います。順序は自己資金、売上、融資です。補助金はその後に一部戻ってきます。
自己資金、売上、融資の順
まず自己資金で払える範囲に補助事業の規模を合わせます。すでに商品を売っているなら、売上を経費に回します。売上を次の発注に回す考え方はOEMの追加発注で資金が詰まらない数量と時期の決め方で扱っています。先に予約販売して製造費を集める進め方はOEM商品をクラウドファンディングで先に売って作る方法にまとめています。足りない分が融資で、日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金は、事業開始後おおむね7年以内の方が対象で運転資金にも使えます。可否は審査で決まり、申し込めば借りられるものではありません。
商工会議所の経営指導と公庫のマル経融資
持続化補助金は商工会議所や商工会の支援を受けて申請するため、同じ窓口で融資の相談もできます。日本政策金融公庫のマル経融資は、商工会議所等の経営指導を受けている小規模事業者が、その長の推薦を受けて申し込む無担保・無保証人の制度です。限度額や利率、経営指導の期間といった要件は公庫の現行ページで確認してください。資金の用意し方の全体はOEMの初回発注に必要な資金はどう用意するかで整理しています。
実績報告と証拠書類

補助金は、払ったことを書類で証明できた経費にだけ出ます。書類が1枚欠けると、その経費は対象から外れます。
見積書、発注書、請求書、支払いの証憑を揃える
事務局の実績報告の案内では、参考書式として発注書、立替払請求書兼領収書、材料や消耗品の受払簿、委託・外注費の完了報告書が用意されています。1件の経費ごとに、見積書、発注書、納品書、請求書、支払いの証憑を鎖のようにつなげて保管します。支払いは振込にして記録を残すのが基本です。OEMメーカーには、見積書と請求書を経費区分に合わせた形で出してもらえるよう、発注時に伝えておきます。
提出期限を過ぎると受け取れない
事務局の案内では、補助事業が完了した日から起算して30日を経過した日、または最終提出期限のいずれか早い日までに実績報告書を提出します。期限を過ぎると交付決定が取り消され、補助金を受け取れなくなる可能性があります。納品と支払いの日付を早めに固め、報告の準備を製造中から始めておくと間に合います。
返還と課税の落とし穴
補助金は原則として返済の要らない資金ですが、条件を外れると返す義務が生じます。受け取った後の扱いも収入と同じです。
目的外の使用と条件違反は返還
補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律は、補助金を他の用途に使った場合や交付の条件に違反した場合の扱いを定めています。交付決定の全部または一部を取り消し、交付済みの額の返還を命じる仕組みです。返還には法定の加算金が付き、偽りその他不正の手段で交付を受けた場合は罰則の対象です。申請書に書いた計画どおりに使い、変更が要るときは事前に事務局へ相談します。
補助金は収入として課税対象
国税庁の案内では、国や地方公共団体から受け取った補助金は、法人なら益金、個人事業主なら事業所得などの総収入金額に入ります。固定資産の取得に充てた補助金には、要件を満たせば課税を繰り延べる制度があります。消費税は不課税ですが、補助金で払った経費の消費税を控除した分の報告や返還を交付要綱で求める制度があります。要件の判定と申告は税理士に確認してください。
申請書類の作成は誰が担うか

申請書類は事業者が作るのが基本で、報酬を得て代わりに作れるのは資格者に限られます。役割を分けておくと、誰に何を頼めるかが決まります。
| 担い手 | 担うこと |
|---|---|
| 事業者 | 経営計画と補助事業計画を作る |
| 商工会議所・商工会 | 計画の相談に応じ、事業支援計画書を出す |
| 行政書士 | 報酬を得て申請書類の作成を引き受ける |
| OEMメーカー | 見積書と仕様書を経費区分に合わせて出す |
| 税理士 | 受け取った補助金の申告 |
日本行政書士会連合会の会長談話では、他人の依頼を受け報酬を得て官公署に提出する書類を作成できるのは行政書士です。会費や手数料といった名目を問わず報酬にあたることが、法改正で明文化されています。OEMメーカーやコンサルタントが「申請を代行する」と名乗る形は、この範囲に触れます。ブギウギ株式会社が用意できるのは、申請に添える見積書や仕様書までです。
OEMメーカーと決めておくこと

補助金と組み合わせるなら、初回の相談で次の項目を決めておきます。
| 決める項目 | 内容 |
|---|---|
| 見積の分け方 | 試作費と製造費を分け、経費区分に合わせた項目名にする |
| 発注日 | 交付決定の後に置く。見積の有効期限も確かめる |
| 製造期間 | 実施期限までに納品と支払いを終えられるか |
| 書類 | 見積書、発注書、納品書、請求書を経費ごとに出せるか |
| 支払い方法 | 振込で記録を残す。分割の可否 |
ブギウギ株式会社では、商材や数量が未定の段階でも相談を受け付けています。補助金の申請に合わせて見積を分けて出すことも、初回の相談でお伝えいただければ対応します。100個から相談できる商材なら、対象外になる製造費の立て替えも小さく済みます。100個で作る手順は化粧品をOEMで100個の極小ロットから作る方法で扱っています。
本記事の根拠法令・出典
| 法令・公的資料 | 位置づけ |
|---|---|
| 小規模事業者持続化補助金(中小企業庁) | 制度の目的、販路開拓の取組、商工会議所・商工会の支援 |
| 持続化補助金とは(補助金事務局) | 対象経費の区分、試作品は対象で販売用製品・量産品の製造費は対象外、交付決定前の発注は対象外、精算払い |
| 実績報告(補助金事務局) | 実績報告の期限と参考書式、確定検査から精算払い請求、入金の順序 |
| マル経融資(日本政策金融公庫) | 商工会議所等の経営指導と推薦、無担保・無保証人 |
| 補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(e-Gov) | 決定の取消、返還、加算金、罰則 |
| 国庫補助金等を受け取ったとき(国税庁) | 補助金の課税と課税の繰延べ |
| 行政書士法第19条第1項及び第23条の3の改正の趣旨等について(日本行政書士会連合会) | 報酬を得て官公署に提出する書類を作成できるのは行政書士 |
まとめ
補助金でOEM商品を作るときの前提は、後払いであること、販売用の製造費は対象外になりやすいこと、発注は交付決定の後に限られることの3つです。試作品の開発費と販促の外注を補助の対象に組み、製造費は自己資金と売上で払います。
入金までの経費は自己資金、売上、融資の順で用意し、補助金は事業完了後に一部戻る資金として扱います。実績報告は見積書から支払いの証憑までを経費ごとに揃え、期限内に提出すること。申請書類の作成を報酬を得て担えるのは行政書士で、OEMメーカーが出せるのは見積書と仕様書です。
ブギウギ株式会社ではスキンケアなど化粧品区分の商材で100個程度から、プロテインは100個からご相談いただけます。試作費と製造費を分けた見積も、初回の相談からお受けしています。
よくある質問
補助金でOEMの製造費を払えますか?
小規模事業者持続化補助金では、販売用の製品や量産品の製造費は対象外とされています。対象になりやすいのは試作品の開発費と、チラシや広告、ウェブサイト、パッケージデザインの外注といった販路開拓の経費です。製造費は自己資金や売上で払う前提で組んでください。
採択されたらすぐ発注してよいですか?
発注は交付決定の後です。採択は審査で選ばれた状態で、交付決定で補助対象の経費が確定します。交付決定より前に発注した経費は対象外になります。見積を取る、経営計画を作る、申請する、までは交付決定の前で構いません。
補助金はいつ入金されますか?
経費の支払いを終え、実績報告書を提出し、事務局の確定検査を経て精算払いを請求した後です。実績報告の期限は事業完了から起算して30日を経過した日、または最終提出期限のいずれか早い日です。日数は回次と事務局の処理で変わるため、公式の案内で確認してください。
入金までの資金はどう用意すればよいですか?
自己資金、売上、融資の順です。日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金は運転資金にも使えます。商工会議所等の経営指導を受けている小規模事業者は、マル経融資に申し込めます。いずれも可否は審査で決まります。
補助金の申請書類は誰に頼めますか?
報酬を得て官公署に提出する書類を作成できるのは行政書士です。商工会議所や商工会は計画の相談に応じ、事業支援計画書を出します。OEMメーカーが用意できるのは、申請に添える見積書と仕様書までです。

