製造費を先に払わずにオリジナル商品を作る方法はあるのか。クラウドファンディングでのOEMとは、購入型で商品を予約販売し、集まった資金でOEMメーカーに製造してもらう進め方のことです。支援が確定した数だけ作れるので、売れ残りの在庫を持ちません。ただし製造期間を見込んだリターンの時期、製造の裏付けを示す審査、通信販売としての表示義務が前提になります。ブギウギ株式会社ではスキンケアなど化粧品区分の商材で100個程度から相談できます。支援数が小さくても製造に進める規模です。

この記事の要点

購入型クラウドファンディングなら支援が確定した数だけOEMで作れます。募集方式の選択、製造期間から逆算した納期、審査と表示の準備が要点です。

この記事でわかること

  • 先に売ってから作る仕組みと、OEMの相談を募集前に済ませる理由
  • 目標未達で製造しない方式と、支援があれば必ず作る方式の違い
  • 製造期間から逆算する募集期間とリターンの時期
  • 審査で問われる製造委託先の裏付けと、化粧品や食品の許可
  • プロジェクトページに要る表示と、リターン設計の考え方
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クラウドファンディングでOEM商品を作る仕組み

クラウドファンディングでOEM商品を作る仕組み|図解

購入型クラウドファンディングは、商品を予約販売して先に代金を集め、その資金で製造する仕組みです。借入ではなく売上の前倒しなので、返済も利息もありません。

借入ではなく売上の前倒し

日本政策金融公庫の解説では、購入型のリターンには消費者契約法や景品表示法といった消費者保護の法律が適用されます。支援者は投資家ではなく購入者で、実行者は商品を約束どおり届ける売主です。集まった資金は製造費の前受金であって、返さなくてよいお金ではありません。

Makuake の案内では、プロジェクト終了後に手数料等を控除した支援総額が実行者に支払われます。リターンの配送義務も実行者にあります。国内の主なサービスは CAMPFIRE、Makuake、READYFOR の3つ。手数料や入金までの日数は各社の公式ページで確認してください。

OEMの相談は募集前に済ませる

順番は企画、OEMメーカーへの相談と見積、試作、審査、募集、入金、製造、発送です。募集を始めてから製造先を探すと、リターンの時期を約束できません。見積と製造期間が確定した状態で募集に入る順序が、後述する審査と納期の両方を通します。

募集方式で変わる製造の約束

募集方式で変わる製造の約束|図解

募集方式は2つあり、どちらを選ぶかで製造の約束が変わります。目標に届かなければ作らない方式と、支援が1件でもあれば必ず作る方式です。

目標未達で製造しない方式と、支援があれば必ず作る方式

CAMPFIRE の解説では、All-or-Nothing 方式は目標金額に達した場合だけ成立します。未達なら支援金は支援者へ返金されます。All-in 方式は目標に届かなくても集まった分を受け取れます。代わりに、支援されたリターンは必ず履行する義務が生じます。

方式成立の条件未達のときリターンの義務
All-or-Nothing目標金額に届いたら成立返金され、製造しない達成したときだけ発生
All-in1件でも支援があれば成立集まった分を受け取る支援された分は必ず履行

同じ解説は、目標金額に達しないと実施できないプロジェクトには All-or-Nothing を勧めています。方式の名称と可否はサービスごとに違い、利用に承認が要る場合もあるため、各社の規約で確かめてください。

初回100個で製造に進める規模なら方式を選べる

OEMの最低ロットが1,000個なら、支援が300件で終わったときに製造できません。この場合は All-or-Nothing で目標を最低ロットの製造費に合わせる形になります。

ブギウギ株式会社ではスキンケアなど化粧品区分の商材で100個程度から、プロテインは100個から相談できます。支援が100件前後でも製造に進める規模なら、All-in を選んでも約束を守れます。 最低ロットの小ささが、方式の選択肢そのものを広げるということです。

納期から逆算する募集期間とリターンの時期

納期から逆算する募集期間とリターンの時期|図解

リターンの時期は、募集終了日にOEMの製造期間を足した先に置きます。 募集期間から決めるとリターンが約束より遅れます。

募集終了から入金、製造、発送までの順序

募集が終わると、サービス側の確定処理を経て実行者に入金されます。発注はこの入金後です。製造、検品、発送準備を経てリターンを送ります。募集終了から発送までは、製造期間に前後の手続きを足した長さ。Makuake の実現性審査では、リターン配送時期の根拠も確認対象です。製造期間を書いた日程表を、募集前に用意しておく理由がここにあります。

商材で違う製造期間

製造期間は商材の区分で違います。同じ「化粧品」でも区分が違えば期間が変わるため、リターンの時期は商材ごとに置き直します。

商材相談できるロット製造期間の目安
スキンケア、ヘアケア、ボディケア、フェムケア、フレグランスの化粧品区分100個程度〜100個の場合、最短約1ヶ月〜
メイクアップ、脱毛WAX、サプリメント、ドリンク1,000個〜相談から納品まで約3ヶ月
プロテイン100個〜(メーカー指定の原料タイプ・フレーバーなら50個〜)相談から納品まで約3ヶ月程度が目安

上表はブギウギ株式会社の目安です。最短約1ヶ月〜が使えるのは化粧品区分の100個に限られ、メイクアップやサプリメントには適用されません。募集期間を30日置くなら、リターンの時期は募集終了から製造期間と入金の処理を足した月に設定します。100個から数量を増やす段階の考え方は化粧品をOEMで100個の極小ロットから作る方法で扱っています。

支援数で決まる製造数量と極小ロット

支援数で決まる製造数量と極小ロット|図解

購入型の利点は、支援が確定した数だけ作れることです。1,000個作ってから売り先を探す順序が逆転します。

支援が確定した数だけ作れる

募集終了時点で支援数が決まるので、OEMメーカーへの発注数量はその数を基準にします。売れ残りの在庫を持たない発注が、この進め方の中心です。 支援数が最低ロットを下回ると製造できないので、最低ロットが小さいほど成立しやすくなります。

支援が想定より多いときに備え、増産の上限と期間を募集前にOEMメーカーと決めておきます。既存処方と既製容器なら追加の製造は早く、原料の取り寄せが要る処方では期間が伸びます。

目標金額に入れるもの

目標金額は製造費だけで組まないでください。サービスの手数料、支援者への送料、パッケージや緩衝材の資材費が支援金から出ていきます。

目標金額は初回の製造費で組み、原価率の見方は年間の販売数で按分する形と分けて考えます。按分の考え方はプロテインOEMの費用が見積もり後に動く3つの理由にまとめています。

審査で問われる製造の裏付けと許可

審査で問われる製造の裏付けと許可|図解

サービス各社は掲載前に実行者とプロジェクトを審査します。製造委託の場合、審査が見るのは実行者ではなくOEMメーカー側の裏付けです。

製造委託先の体制と契約、配送時期の根拠

Makuake の実現性審査で確認されるのは4点です。製造委託先の製造体制と適切な契約の締結、許認可や法定表示による合法な国内流通の状態。そして量産化の裏付けと、リターン配送時期の根拠です。

審査が見る点用意するもの
製造委託先の体制と契約OEMメーカーとの契約書、見積書
許認可と法定表示製造販売業許可の名義、表示の案
量産の裏付け製造数量と増産の条件
配送時期の根拠製造期間を入れた日程表

いずれもOEMメーカーから受け取る書類で満たせます。相談の段階で、審査に出す書類が要ると伝えておくと二度手間になりません。

化粧品と医薬部外品で違う審査の重さ

化粧品の製造業と製造販売業の許可はOEMメーカーが保有しています。依頼者側の取得は原則不要で、パッケージの製造販売元にはメーカーの名義が入ります。誰の名義で売るかで扱いが変わる点は個人が化粧品OEMを小ロットで始める方法で整理しています。

医薬部外品は違います。Makuake の掲載基準では、医薬部外品は製造業許可と製造販売業許可に加えて、製造承認の書類の提出が要ります。承認申請を経た処方だけが医薬部外品として売れます。薬用化粧品や育毛剤をリターンにするなら、承認済みの処方があるかをメーカーに確かめる工程が加わります。

食品は営業許可と販売の届出

プロテインやサプリメントは食品です。同じ掲載基準では、食品は製造の許可や届出の確認と、アレルゲンを含む特定原材料の表示が求められます。製造の許可はOEMメーカーが持ち、依頼者が確かめるのは自分の販売の側です。未開封の袋のまま売るときの届出の扱いは個人でもオリジナルプロテインをOEMで作れるのかで扱っています。

プロジェクトページの表示と広告表現

プロジェクトページは商品ページと同じ表示規制の下にあります。資金を集める段階だからといって、書ける範囲は広がりません。

通信販売として必要な表示事項

購入型は特定商取引法の通信販売にあたります。消費者庁の特定商取引法ガイドは、通信販売の広告に表示する事項を定めています。販売価格と送料、代金の支払時期と方法、商品の引渡時期、事業者の氏名と住所と電話番号、返品特約です。リターンの引渡時期は、製造期間から逆算した発送月をそのまま書きます。

化粧品は56項目、食品は健康増進法の範囲

化粧品をリターンにする場合、ページの文言は広告として薬機法の対象です。効能効果の範囲は厚生労働省が定める56項目に限られます。Makuake の表記審査でも、一般化粧品は56項目のうち事実の範囲に限った表記とされています。表示可能な文言は、支援者の感想として載せる場合も同じ基準で見られます。

商材書ける範囲根拠
化粧品56項目の効能効果のうち事実の範囲薬機法
医薬部外品承認を受けた効能効果の範囲薬機法
食品(プロテインなど)疾病の予防や治療を示す表現は不可健康増進法、食品表示法

「シミが消える」「若返る」のように56項目を超える表現は化粧品では使えません。全成分表示や特定原材料の表示は、ページ上でも容器包装と同じ内容を載せる前提で準備します。

リターン設計と原価の考え方

リターン設計と原価の考え方|クラウドファンディング OEM

リターンは商品そのものに、支援の順番や数量で差を付けて組みます。値付けの前に、支援金から出ていく費目を全部並べます。

早期、数量限定、セットの3つの型

購入型でよく使われる型は3つです。早期の支援者向けに価格を抑える型、先着の数量を区切る型、複数個や関連品を組み合わせるセットの型。OEM商品は、同じ処方で容量や香りを変えた組み合わせを作りやすい商材です。既存処方と既製容器の範囲で複数のリターンを用意できます。

リターンの価格は、製造原価に手数料、送料、資材費を足したうえで、通常販売の予定価格より下に置きます。二重価格の表示は景品表示法の対象なので、比較する通常価格は実際に販売する価格に限ります。

発送後の販路へつなぐ

募集で得た支援者は、発送後の最初の顧客です。自社ECやモールでの通常販売を発送と同時に始められるよう、募集中にページと在庫の受け皿を整えます。発送後の2回目の発注をいつ、いくつにするかはOEMの追加発注で資金が詰まらない数量と時期の決め方で整理しています。EC販売の始め方はEC通販向け化粧品OEMで扱っています。ブギウギ株式会社では製造に加えて、パッケージやECサイトを含むブランド構築の相談もお受けしています。

OEMメーカーと決めておくこと

募集前にOEMメーカーと決める項目を並べます。ここが決まっていれば、審査と納期の両方で迷いません。

決める項目内容
発注のタイミング募集終了と入金の後に発注する順序と、発注から製造開始までの日数
製造期間と発送月商材区分ごとの期間を日程表にし、リターンの引渡時期に書く
支援数と数量最低ロットを下回ったときの扱い、増産の上限と期間
表示物の確認ページの文言と容器包装の表示を、募集前に薬事の観点で確認する
審査に出す書類契約書、見積書、許可の名義、日程表

ブギウギ株式会社では、商材や数量が未定の段階でも相談を受け付けています。募集の日程が先に決まっている場合は、その日程に製造期間を合わせる相談から始められます。資金の用意し方の全体はOEMの初回発注に必要な資金はどう用意するかで整理しています。

本記事の根拠法令・出典

法令・公的資料位置づけ
クラウドファンディングの法務(日本政策金融公庫)購入型に適用される消費者保護の法律と実行者の義務
特定商取引法ガイド・通信販売(消費者庁)通信販売の広告に表示すべき事項
化粧品の効能の範囲について(厚生労働省)化粧品が標榜できる効能56項目
募集方式 All-or-Nothing と All-in の違い(CAMPFIRE)成立条件、未達時の返金、リターン履行の義務
プロジェクトの実現性審査基準(Makuake)製造委託先の体制と契約、許認可、量産の裏付け、配送時期の根拠
ジャンル別の審査基準(Makuake)化粧品の56項目、医薬部外品の承認書類、食品の許可と表示

まとめ

クラウドファンディングでのOEMは、購入型で先に予約販売し、支援が確定した数だけ製造する進め方です。借入ではなく売上の前倒しなので返済はなく、売れ残りの在庫も持ちません。

守るべき順序は3つです。募集方式を最低ロットとの関係で選び、リターンの時期を製造期間から逆算します。審査に出す製造の裏付けと表示は、OEMメーカーと募集前に揃えること。化粧品区分の100個は最短約1ヶ月〜、他の商材は約3ヶ月という製造期間の違いが、募集期間とリターンの時期を決めます。

ブギウギ株式会社ではスキンケアなど化粧品区分の商材で100個程度から、プロテインは100個からご相談いただけます。募集の日程に製造期間を合わせる相談は、見積の段階から一緒に進められます。

よくある質問

目標金額に届かなかったら製造はどうなりますか?

All-or-Nothing 方式なら支援金は返金され、製造もしません。All-in 方式なら集まった分を受け取り、支援されたリターンは必ず届ける義務が生じます。支援数が最低ロットを下回ると All-in でも製造できないので、方式は最低ロットと合わせて選んでください。

募集を始める前にOEMメーカーと何を決めておくべきですか?

5つあります。発注のタイミング、商材区分ごとの製造期間と発送月、最低ロットを下回ったときの扱いと増産の上限。それに、ページと容器包装の表示の確認と、審査に出す書類です。見積と製造期間が確定してから募集に入ると、審査と納期の両方が通ります。

化粧品をリターンにするとき許可は誰が持ちますか?

化粧品の製造業と製造販売業の許可はOEMメーカーが保有し、依頼者側の取得は原則不要です。医薬部外品は製造承認を受けた処方だけが対象になるため、承認済みの処方があるかをメーカーに確かめてください。

リターンの発送はいつに設定すればよいですか?

募集終了日に入金の処理と製造期間、検品と発送準備を足した先に置きます。スキンケアなど化粧品区分の100個なら製造は最短約1ヶ月〜、メイクアップやサプリメントは約3ヶ月が目安です。通信販売の表示として引渡時期をページに書くので、余裕を持った月にします。

支援が想定より多かったら増産できますか?

既存処方と既製容器の範囲なら追加の製造は早く進みます。原料の取り寄せが要る処方では期間が伸びるため、増産の上限と期間を募集前にOEMメーカーと決めておいてください。