頭皮ケアの製品を作りたいと相談すると、早い段階で「薬用にしますか」と聞かれます。スカルプシャンプーのOEMとは、頭皮の洗浄や保湿を目的としたシャンプーを企画し、専門メーカーに製造委託する仕組みです。区分をどちらにするかでロットも納期も書ける言葉も変わるため、先に決めておく項目があります。

この記事の要点

頭皮ケアはシャンプー単体では完結せず、洗い流さない製品と組み合わせて設計します。

この記事でわかること

  • スカルプシャンプーが一般のシャンプーと違う点
  • 頭皮用ローションと役割を分ける理由
  • 薬用と化粧品で変わるロット・納期・書ける言葉
  • ヘッドスパ施術と連動させる場合の設計

スカルプシャンプーは何が違うのか

スカルプシャンプーは何が違うのか|スカルプシャンプー 頭皮ケア OEM

一般のシャンプーは毛髪の汚れを落とすことを主眼に置きます。スカルプシャンプーは頭皮の皮脂や汚れを対象にするため、洗浄成分の系統と容器の両方が変わります。

洗浄成分の系統で洗い上がりが決まる

系統洗浄力向いている頭皮の状態
高級アルコール系強め皮脂が多く、さっぱりした洗い上がりを好む
アミノ酸系穏やか乾燥しやすく、洗いすぎを避けたい
ベタイン系穏やか低刺激を優先する。子ども向けにも使われる
石けん系強めさっぱり感を重視する。きしみが出やすい

洗浄力が強いほど汚れは落ちますが、必要な皮脂まで落とすと乾燥につながります。どちらに寄せるかは、想定する頭皮の状態から逆算します。洗浄成分の選び方そのものはアミノ酸シャンプーのOEMで詳しく扱っています。

容器が頭皮への届き方を変える

中身が同じでも、容器の形状で使われ方が変わります。

容器特徴
ポンプボトル手に取ってから泡立てる。最も一般的
ノズル付きボトル頭皮に直接置ける。分け目に沿って塗布しやすい
チューブ使用量を調整しやすい。旅行用の小容量にも向く

頭皮に直接届けたい場合はノズル付きを選びます。ただし粘度が高すぎるとノズルから出にくく、低すぎると流れてしまうため、容器と中身は同時に決めます。容器と容量の選択肢はシャンプーのOEMで選べる範囲にまとめました。

頭皮ケアはシャンプーだけで完結しない

頭皮ケアはシャンプーだけで完結しない|図解

シャンプーは洗い流す製品です。頭皮に触れている時間は1回あたり数分で、そのあと水で流されます。保湿や整肌を狙う場合、洗い流さない製品を組み合わせます。

製品工程頭皮に残るか
スカルプシャンプー洗う残らない
頭皮用ローション洗ったあとにつける残る
頭皮用エッセンス同上。ローションより濃度が高い残る

「落とす」と「残す」は別の工程です。シャンプーだけで頭皮環境を整えようとすると、洗浄力を上げるか、洗浄成分に機能を持たせるかのどちらかになり、設計の幅が狭くなります。

ラインで出すと単価と継続率が変わる

シャンプーと頭皮用ローションを同時に出すと、1回の購入単価が上がります。消費のペースも違うため、ローションが先に切れて再購入の機会が生まれます。

ブギウギ株式会社では、化粧品区分のヘアケアとスカルプケア製品をどちらも100個程度から相談できます。既存処方をベースにする場合、最短約1ヶ月程度での製造が可能です。2品を同時に立ち上げても、それぞれ別のロットで扱います。

薬用にするか化粧品でいくか

薬用にするか化粧品でいくか|図解

区分は、書きたい言葉から逆算して決めます。

化粧品医薬部外品(薬用)
効果の考え方洗浄によるもの承認された有効成分によるもの
ロット100個程度から相談可仕様により決定
納期最短約1ヶ月程度承認や許可の工程が入るため化粧品とは別条件

化粧品のシャンプーで書けるのは、厚生労働省が定める化粧品の効能の範囲にある毛髪・頭皮の項目です。「頭皮、毛髪を清浄にする」「フケ、カユミがとれる」「フケ、カユミを抑える」といった表現が該当します。

薬用シャンプーは医薬部外品として承認を受けた品目で、「ふけ・かゆみを防ぐ」のように「防ぐ」と書けます。⚠️ 「とれる」「抑える」と「防ぐ」は別の表現で、化粧品では後者を使えません。区分ごとの線引きは医薬部外品と化粧品の違いで整理しています。

なお「育毛」「養毛」「脱毛の予防」は育毛剤として承認された医薬部外品の効能で、薬用シャンプーの承認効能には含まれません。薬用にすれば何でも書けるわけではない点は、最初に押さえておきます。

ヘッドスパ施術と連動させる場合の設計

サロンで頭皮の施術を提供している場合、施術で使う製品と販売する製品を分けて考えます。

業務用と販売用で仕様が変わる

業務用販売用
容量500ml〜1L200〜400ml
容器詰め替えやすい形状持ち帰る前提のデザイン
使用量施術回数で読める個人差が大きい

処方を揃えると、施術で体験した使用感を自宅で再現できます。同じ香りにするか変えるかは方針が分かれる部分で、施術を特別な体験にしたい場合は意図的に変える選択もあります。

衛生管理の面で確認すること

業務用の大容量ボトルは開封後に長く使うため、詰め替えの運用を決めておきます。ボトルを継ぎ足すと中身が劣化しやすく、洗浄と乾燥を挟む運用が必要です。メーカーに相談する際は、想定する使い切り期間を伝えると容量の提案を受けやすくなります。

サロン専売品としての価格設計と販売までの流れはサロン専売品の作り方にまとめました。

問い合わせ前に決めておくスカルプ固有の項目

問い合わせ前に決めておくスカルプ固有の項目|図解

見積もりを取る前に、次の4点を決めておくと話が早く進みます。

1. 想定する頭皮の状態

皮脂が多い、乾燥している、季節で変わる、といった前提で洗浄成分の系統が変わります。ここが決まらないと処方の方向が定まりません。

2. 洗浄成分の系統

上の表から選びます。複数の系統を組み合わせることもできますが、初回は1つに寄せたほうが仕上がりを評価しやすくなります。

3. 容器のノズル形状

頭皮に直接つけるかどうかで決まります。粘度と連動するため、中身の相談と同時に進めます。

4. ラインで出すか単体か

頭皮用ローションを同時に立ち上げるかを決めます。同時に出す場合、香りと容器の世界観を揃える前提で両方の設計を進めます。

これらを整理したうえで区分を選ぶと、ロットと納期の見通しが立ちます。

まとめ

スカルプシャンプーのOEMは、洗浄成分の系統と容器で頭皮への届き方が決まります。シャンプーは洗い流す製品なので、保湿や整肌まで狙う場合は頭皮用ローションと役割を分けて設計します。

区分は書きたい言葉から逆算します。化粧品なら100個程度から相談でき最短約1ヶ月程度、医薬部外品は承認の工程が入るため条件が変わります。薬用にしても「育毛」は書けないため、何を伝えたいかを先に決めてから区分を選びます。

よくある質問

化粧品のスカルプシャンプーで頭皮の悩みに触れられますか

化粧品の効能の範囲にある表現なら書けます。「フケ、カユミがとれる」「フケ、カユミを抑える」は化粧品で使える表現です。「防ぐ」は医薬部外品の承認効能なので、化粧品では使えません。

薬用にすると納期はどのくらい変わりますか

医薬部外品は品目ごとの承認や製造の許可が必要で、化粧品とは別の工程が入ります。仕様によって変わるため、具体的な期間は個別にご相談ください。化粧品区分であれば、既存処方をベースにした場合で最短約1ヶ月程度が目安です。

頭皮用ローションだけを先に作れますか

作れます。スカルプケア製品は化粧品区分で、シャンプーと同じく100個程度から相談できます。シャンプーは市販品を使ってもらい、ローションだけ自社ブランドにする構成も選べます。

有効成分は自由に選べますか

医薬部外品の有効成分は承認された範囲で使います。どの成分をどの濃度で配合できるかは品目ごとに決まっているため、作りたい訴求を先に伝えて、対応できる成分があるかを確認する流れになります。

業務用と販売用で中身を変えられますか

変えられます。容量と容器を変えるだけの構成も、洗浄力を調整して別処方にする構成もあります。施術での使用感を自宅で再現したい場合は処方を揃え、施術を特別な体験にしたい場合は分ける、という判断になります。