自分のブランドでフェムケア商品を出したい。そう考えたとき、最初の壁は製造ではなく区分の見極め。フェムケア商品のOEMは、デリケートゾーン用のソープや保湿クリームなどの化粧品区分であれば、100個程度の極小ロットから相談できます。一方で、同じフェムケアでもインナーケアサプリは食品区分になり、ロットも期間も別の条件です。どの区分で作るかが、ロットと費用、そしてパッケージに書ける言葉まで決めます。

この記事の要点

フェムケア商品はOEMで作れます。鍵は区分の見極めで、デリケートゾーン用のソープや保湿は化粧品区分で、100個から相談できます。

この記事でわかること

  • フェムケアOEMで作れる商品と市場の現在地
  • 化粧品、医薬部外品、雑貨、食品という4つの区分の分かれ方
  • デリケートゾーン用の化粧品を100個から作れる条件
  • パッケージや販売ページに書ける効能の線引き
  • サロン専売、EC、個人ブランドそれぞれの始め方

フェムケアOEMとは

フェムケアOEMとは、女性の身体に寄り添うケア商品の製造をメーカーに委託し、自分のブランドとして販売することです。代表的な商品は、デリケートゾーン用のソープやウォッシュ、保湿クリームやジェル、フェミニンミスト。

市場は拡大が続いています。矢野経済研究所の調査では、2024年のフェムケア・フェムテック(消費財・サービス)の国内市場規模は803億9,100万円(前年比107.1%)でした(矢野経済研究所・2025年発表)。ドラッグストアやバラエティショップに売り場が広がり、専用棚を見かける機会も増えました。

参入する側から見ると、悩みが深い分野だけに、効能の書き方の規制と使用感の設計が他のカテゴリより重くのしかかります。この2つを軸に、順番に整理していきます。OEMという仕組みそのものを確かめたい方は、化粧品OEMの全体像を整理した記事が入口になります。

商品の区分を最初に決める

商品の区分を最初に決める|図解

フェムケアという言葉は広く、薬機法の上では1つの区分に収まりません。同じ「デリケートゾーンの悩みに応える商品」でも、形と謳い方で4つの区分に分かれます。区分が決まらないと、ロットも費用も、書ける言葉も決まりません。

化粧品区分(ソープ・保湿クリーム・ミスト)

洗浄や保湿を目的とするデリケートゾーン用のソープ、保湿クリームやジェル、美容液、フェミニンミストは化粧品区分です。フェムケアOEMの中心はこの区分で、届出だけで製造販売でき、承認の工程がありません。小さく始めたい場合の第一候補になります。

医薬部外品になる場合

殺菌や消臭といった効能を正面から謳いたい場合は、医薬部外品の領域に入ります。品目ごとの承認が必要になり、期間もロットも化粧品とは別の条件です。デオドラント効果を打ち出したい商品を考えているなら、最初の相談でこの区分の違いを確かめてください。

雑貨・医療機器・食品に分かれるもの

生理用品や吸水ショーツなどの身に着けるものは雑貨や医療機器の領域で、化粧品OEMとは製造の枠組みが異なります。飲んでケアするインナーケアサプリは食品区分です。フェムケアブランドとしてラインナップに入れたい商品がどの区分かを、企画の段階で仕分けておくと、後の見積もりがぶれません。

デリケートゾーン用の化粧品は100個から作れる

区分が化粧品に収まるなら、フェムケアは小さく始められるカテゴリです。ブギウギ株式会社では、フェムケアの化粧品区分(デリケートゾーン用ソープ・保湿クリーム・ミスト)に限り、100個程度の極小ロットから相談を受け付けています。この場合、最短約1ヶ月程度での納品が可能です。

一般的なOEMでは1,000個以上が目安になることもあります。在庫リスクを抑えてテスト販売から入りたい個人や小規模事業者にとって、100個という単位は市場の反応を確かめるのにちょうどよい規模です。

費用は処方と容器、印刷物の組み合わせで決まります。内訳の考え方は化粧品OEMの費用の内訳を整理した記事で確かめられます。100個から相談できるのは化粧品区分に限られ、インナーケアサプリをはじめとする食品区分には適用されません。この線引きは後の節でも扱います。

効能の書き方は化粧品の範囲に収める

フェムケアの読者は、におい、かゆみ、黒ずみといった具体的な悩みで検索します。だからこそ、パッケージや販売ページの言葉づかいが最も注意の要る工程になります。化粧品が謳える効能は、厚生労働省が定める56項目の範囲だけです(化粧品の効能の範囲の改正について・薬食発0721第1号)。

書ける表現

デリケートゾーン用の化粧品で使えるのは、「(汚れをおとすことにより)皮膚を清浄にする」「皮膚をすこやかに保つ」「皮膚にうるおいを与える」「皮膚の乾燥を防ぐ」といった、56項目の中の表現です。悩みに直接切り込む言葉ではなく、清潔とうるおいを保つという方向で商品の価値を伝えます。

医薬部外品や医薬品の領域になる表現

言いたいこと化粧品で書けるか
においを防ぐ・消臭書けない。体臭を防ぐ効能は医薬部外品(デオドラント)の承認効能
黒ずみを薄くしたい書けない。美白は医薬部外品の承認効能で、化粧品は「(汚れをおとすことにより)皮膚を清浄にする」まで
かゆみを抑える書けない。かゆみへの効能は医薬品の領域
洗って清潔に保つ書ける(56項目の範囲)

区分を決めてから効能を書く。この順番を守れば、商品ページの表現で立ち止まることは大きく減ります。表現の細かい可否は、製造の相談の中で薬機法の視点から一緒に確認していきます。

使用感の設計が商品の評価を決める

使用感の設計が商品の評価を決める|フェムケア OEM

規制で言葉を抑える分、フェムケアは商品そのものの使用感がレビューとリピートを左右します。粘膜に近い部位に使うため、洗浄力の強さ、テクスチャー、香りの立ち方の1つずつが、他のカテゴリより敏感に評価されます。

低刺激の処方と使用感の確かめ方

デリケートゾーン用は低刺激の処方設計が出発点になります。洗浄成分の選び方、しっとり感を残すかさっぱり仕上げるか、香りを付けるか無香にするか。仕様の言葉だけでは決めきれないので、試作品を実際に使って確かめる工程を挟みます。想定する読者層に近いモニターの声を集めると、発売後のレビューとのずれが小さくなります。

サロンで使う場合の視点

ワックス脱毛やエステの施術後ケアとして使うなら、サロンワークでの扱いやすさも設計に入ります。施術の流れの中で手に取りやすい容器の形か、衛生管理の面で使い回しやすいポンプやチューブか。店販だけの商品と、施術に使いながら売る商品では、同じ中身でも容器の正解が変わります。

販路別の始め方

販路別の始め方|図解

フェムケアの売り方は大きく3つに分かれます。どの販路で始めるかで、最初に作る商品と個数の考え方が変わります。

サロン専売

エステや脱毛サロンが施術後のケアに使いながら、物販の棚でも売る形です。施術で使用感を体験してもらえるため、言葉の規制に頼らずに価値を伝えられます。リテール販売の価格は、施術メニューとのバランスで値付けします。

EC・D2C

ブランドの世界観を作り込み、直販で届ける形です。デリケートな悩みを扱う商品は店頭で手に取りにくいという読者側の事情があり、ECとの相性が良いカテゴリです。定期購入につなげるなら、初回に試しやすい容量の設計から入ります。

個人ブランド

個人で始めるなら、まず1品を100個で作り、SNSや小さな販路で反応を見る形が現実的です。フェムケアは1品からでもブランドとして成立しやすく、売れ行きを見てラインナップを広げられます。個人でのOEMの進め方そのものは、個人で始める小ロットOEMの記事で詳しく扱っています。

開発の流れと期間

開発の流れと期間|図解

進み方は他の化粧品OEMと同じ骨格で、区分の判断が最初に入るのがフェムケアの特徴です。

工程決めること
相談作りたい商品と悩みの想定、販路を共有する
区分と処方の決定化粧品区分に収めるか、謳いたい効能から区分を判断する
試作使用感を確かめ、処方を詰める
表示の確認全成分表示と効能の文言を56項目の範囲で確定する
製造容器とパッケージを揃えて製造する
納品販売開始。反応を見て追加発注を判断する

化粧品区分で100個の場合、最短約1ヶ月程度での納品が可能です。じっくり試作を重ねる場合はその分の期間を見込みます。

インナーケアサプリは食品区分で条件が変わる

フェムケアのラインナップとして人気のあるインナーケアサプリは、化粧品ではなく食品の区分です。処方の作り方によらず1,000個〜が目安で、期間も約3ヶ月と、化粧品区分とは条件が分かれます。

塗るケアと飲むケアを同時に立ち上げるより、まず化粧品区分の1品で販路と反応を確かめ、ブランドが育ってからサプリを足す順番が、在庫リスクの面では組み立てやすい進め方。サプリ側の作り方はサプリメントOEMの記事で確かめられます。

本記事の根拠法令・出典

法令・公的資料位置づけ
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(e-Gov)化粧品・医薬部外品・医療機器の区分と製造販売の枠組み
化粧品の効能の範囲の改正について(薬食発0721第1号・厚生労働省)化粧品が標榜できる効能56項目
フェムケア&フェムテック市場に関する調査(矢野経済研究所・2025年)2024年の市場規模803億9,100万円(前年比107.1%)

まとめ

フェムケアのOEMは、商品の区分の見極めから始まります。デリケートゾーン用のソープや保湿クリームなどの化粧品区分なら100個程度から相談でき、最短約1ヶ月程度での納品が可能です。殺菌や消臭を謳うなら医薬部外品、インナーケアサプリは食品区分と、区分が変わればロットも書ける言葉も変わります。効能は56項目の範囲に収め、その分を使用感の設計で埋める。この組み立てができれば、フェムケアは小さく始めて育てやすいカテゴリ。作りたい商品がどの区分にあたるかから、相談を始めてください。

よくある質問

個人でもフェムケア商品を作れますか?

化粧品区分のデリケートゾーン用ソープや保湿クリームであれば、個人でも100個程度の極小ロットから相談できます。製造販売の届出や表示の作成はOEM側の座組で進むため、個人側で許可を取る必要はありません。まず1品を小さく作り、SNSや小規模な販路で反応を確かめる始め方が現実的です。

フェムケア商品は何個から作れますか?

区分によって変わります。デリケートゾーン用ソープ・保湿クリーム・ミストの化粧品区分は100個程度から相談できます。インナーケアサプリは食品区分のため1,000個〜が目安です。同じフェムケアでも条件が分かれるので、作りたい商品を決めてから個数の計画を立ててください。

においやかゆみへの効能は書けますか?

化粧品では書けません。体臭を防ぐ効能は医薬部外品の承認効能、かゆみへの効能は医薬品の領域です。化粧品区分で書けるのは、皮膚を清浄にする、すこやかに保つ、うるおいを与えるといった56項目の範囲になります。悩みに直接触れる言葉を使いたい場合は、区分の変更も含めて企画の段階で相談してください。

サロンの物販用に作れますか?

作れます。施術後のケアに使いながら物販の棚で売る、サロン専売の形はフェムケアと相性の良い販路です。施術で使用感を体験してもらえるため、規制で書けない価値も伝わります。施術に使う場合は、衛生管理の面で扱いやすい容器の形状まで含めて設計します。

インナーケアサプリも一緒に作れますか?

作れますが、食品区分になるため化粧品とは別の条件です。ロットは1,000個〜、期間は約3ヶ月が目安になります。塗るケアで販路を作ってから飲むケアを足す順番にすると、初期の在庫リスクを抑えられます。