青汁の受託製造を調べると、ロットも費用も「要問い合わせ」で止まっている記事が並びます。青汁のOEMは健康食品区分にあたるため、一般には1,000個・約3ヶ月からの委託になります。数量の目安が分かれば、次に決めるのは原料です。大麦若葉とケールでは味も原価も変わり、そこが商品の輪郭になります。市場全体は縮んでいますが、減ったのは店頭のついで買いで、通販の定期購入は残っています。

この記事の要点

青汁のOEMは1,000個・約3ヶ月から委託でき、大麦若葉やケールなど原料5種の選択で味と原価が決まります。

この記事でわかること

  • 青汁のOEMで委託できる範囲と、自社で決めなければならない範囲
  • 市場全体は縮小する一方で、通販の定期購入が伸びている理由
  • 大麦若葉・ケール・明日葉・桑の葉・モリンガの味と原料費の違い
  • 粉末だから起きる沈殿・ざらつき・溶けにくさへの対処
  • 1,000個を重量に換算するといくらになるか
  • 機能性表示食品として届け出る場合の判断材料
目次 [ close ]
  1. 青汁OEMとは何をどこまで委託できるのか
    1. 粉末スティックが主流になった理由
    2. 委託できる範囲と自社で決める範囲
  2. 市場全体は縮小し、通販の定期購入が伸びている
    1. 市場規模は約988億円・11年ぶりに1,000億円を下回った
    2. 減ったのは店頭の「ついで買い」
    3. 伸びている販路はECと定期購入に寄っている
  3. 原料5種で味とコストが変わる
    1. 大麦若葉はクセが少なく九州産が主流
    2. ケールは栄養価が高く苦みが残る
    3. 明日葉は食物繊維が最も多く原料費が高い
    4. 桑の葉とモリンガは差別化素材として使う
  4. 粉末ならではの設計課題
    1. 沈殿とざらつきは試作で確認する
    2. 造粒の有無で溶けやすさが変わる
    3. スティック分包とアルミパウチの選び分け
  5. ロット・費用・期間の目安
    1. 健康食品区分は1,000個・約3ヶ月から
    2. 個数と重量の換算
    3. 原料グレードと包装仕様で費用が動く
  6. 機能性表示食品にするかどうかの判断
    1. 一般の健康食品では書けない訴求がある
    2. 青汁の届出で使われている機能性関与成分
    3. 届出の負担と判断の分かれ目
    4. 本記事の根拠法令・出典
  7. まとめ
  8. よくある質問
    1. 青汁OEMの最低ロットは何個からですか
    2. 青汁のOEM費用はどのくらいかかりますか
    3. 原料は大麦若葉とケールのどちらを選べばよいですか
    4. 機能性表示食品として届け出ることはできますか
    5. 完成までどのくらいの期間がかかりますか

青汁OEMとは何をどこまで委託できるのか

青汁のOEMとは、原料の調達から粉末加工、分包、包装までを受託先に任せる仕組みのことです。委託できる範囲は広いものの、商品の性格を決める部分は発注者が持ち続けます。

粉末スティックが主流になった理由

青汁の形状は粉末が基本です。水にも牛乳にも溶かせて、原料の風味をそのまま活かせます。ただし飛び散りやすいため、1回分ずつのスティック分包にするか、大容量なら計量スプーンを添えます。

スティック分包は物流と日常使いの両面で有利です。かさばらず、持ち運べて、1回量が固定されます。定期購入を前提にするなら、30包入りの箱を1個単位として設計するのが標準的な形になります。

錠剤タイプやゼリータイプも作れますが、青汁の市場は粉末が中心です。剤形そのものの比較はサプリメント・健康食品OEMの進め方で扱っています。液体で展開する場合の容器とロットの関係はドリンクタイプで作る場合の容器とロットが参考になります。

委託できる範囲と自社で決める範囲

受託先が担うのは製造と、それに付随する実務です。

受託先が担う発注者が決める
原料の調達と規格の確認どの原料を主役にするか
粉砕・造粒などの粉末加工味の方向性と1包あたりの量
スティック分包・箱詰めパッケージのデザインと仕様
食品表示法にもとづく表示のチェック売り方と価格
品質検査と賞味期限の設定機能性表示食品にするかどうか

表示のチェックを受託先が行う場合でも、表示の最終責任は販売者である発注者にあります。原材料名や栄養成分表示の内容は必ず自社でも確認してください。

市場全体は縮小し、通販の定期購入が伸びている

市場全体は縮小し、通販の定期購入が伸びている|図解

青汁の市場は数字の上では縮んでいます。ただし縮んだ場所と伸びた場所は分かれており、どちらを見るかで参入の判断が変わります。

市場規模は約988億円・11年ぶりに1,000億円を下回った

2025年通期の青汁市場規模は、前年比1.5%減の約988億円で、11年ぶりに1,000億円市場を下回りました。

出典:通販新聞ダイジェスト(ネットショップ担当者フォーラム)

前年割れの主因は物価高です。消費者が買い控えに動き、価格に敏感な購買から先に落ちました。

減ったのは店頭の「ついで買い」

落ちたのはスーパーなどの店頭需要です。買い物のついでに手に取る層は銘柄への思い入れが薄く、価格が上がると真っ先に離れます。

一方で、メインの市場は粉末製品の通販による定期購入で、有機製品・機能性表示食品・無糖飲料が好調に推移しています。腸内環境への関心を背景に、乳酸菌を配合した製品も増えました。

伸びている販路はECと定期購入に寄っている

つまり市場の縮小と、EC通販の好調は同時に起きています。

縮小している伸びている
店頭・ついで買い通販の定期購入
価格で選ばれる汎用品有機・機能性表示食品
単発購入継続前提の設計

販路をECに置くなら、市場全体の数字はそのまま逆風にはなりません。縮んでいるのは自社が戦う場所ではないからです。販路の作り方は商材別に整理しています。EC通販なら化粧品OEMのEC通販向け設計、自社ブランドの立ち上げならD2Cブランドの立ち上げ方(化粧品OEM)が参考になります。

定期購入を前提にすると、商品設計の優先順位も変わります。初回の印象より、3ヶ月飲み続けられるかどうかが売上を決める。ここで効いてくるのが次に見る原料の選択です。

原料5種で味とコストが変わる

原料5種で味とコストが変わる|図解

青汁の主な原料は5種類あり、味のクセと栄養、原料費が違います。飲み続ける商品では、この選択が継続率に直結します。

原料味のクセ特徴原料費
大麦若葉少ない食物繊維・ビタミン・ミネラルをバランスよく含む標準
ケール苦みが残るβカロテン、ビタミンC・E・Kが豊富標準
明日葉やや強い食物繊維量が5種で最も多い高め
桑の葉穏やか差別化素材として使われる素材による
モリンガ独特栄養素の種類が多い素材による

大麦若葉はクセが少なく九州産が主流

大麦若葉はもっとも広く使われている原料です。ケールに比べてにおいと味のクセが少なく、青汁が苦手な層にも届きます。

産地は大分・宮崎・熊本など九州地方の流通量が多く、国産を訴求しやすい素材です。万人向けの商品なら最初の候補になります。

ケールは栄養価が高く苦みが残る

ケールは青汁の原点にあたる原料です。βカロテン、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンKを豊富に含み、栄養価の高さで選ばれます。

代わりに苦みが残ります。この苦みを「本格的」と受け取る層もいるので、欠点と決めつける必要はありません。ただし定期購入で継続率を追うなら、フルーツや乳酸菌と組み合わせて飲みやすさを補います。

明日葉は食物繊維が最も多く原料費が高い

明日葉は5種のなかで食物繊維量が最も多い原料です。美容目的の商品で採用され、差別化の軸になります。

一方で産地と流通量に制約があり、原料費は高めです。同じロットでも原価が変わるので、価格帯を決めてから採用可否を判断してください。

桑の葉とモリンガは差別化素材として使う

桑の葉とモリンガは、主役ではなく特徴づけに使う素材です。大麦若葉をベースに一部を置き換えれば、原価を抑えつつ違いを出せます。

配合比の設計は受託先と詰める部分です。原料規格書で産地・製法・残留農薬の検査項目まで確認してから決めてください。

粉末ならではの設計課題

粉末ならではの設計課題|青汁 OEM

原料が決まっても商品にはなりません。粉末という剤形には、試作で潰しておくべき固有の問題があります。

沈殿とざらつきは試作で確認する

粉砕した青汁は食物繊維を多く含むため、水に溶かすと沈殿します。コップの底に残る量が多いと、飲む側は「溶けない」と受け取ります。

試作品では味だけでなく、ざらつきと泡立ちまで確認してください。書面の規格では判断できず、実際に溶かして初めて分かります。水と牛乳の両方で試すと想定される飲み方を網羅できます。

造粒の有無で溶けやすさが変わる

溶けにくさは造粒である程度解決できます。造粒は粉末を粒状にまとめる工程で、流動層造粒法ではサイズの揃った軽い顆粒ができます。

粒が揃うと水に分散しやすくなり、ダマも減ります。ただし工程が増えるぶん加工費は上がります。

スティック分包とアルミパウチの選び分け

包装は成分の劣化を左右します。青汁の粉末は光と湿気に弱く、遮光性と防湿性のある資材が前提です。

形態向く場面留意点
スティック分包定期購入・持ち運び1回量が固定される。分包コストが加わる
アルミパウチ(大容量)価格を抑えたい商品計量スプーンが要る。開封後の品質保持に配慮が要る
チャック付き袋家庭での常用密閉性は開閉回数に左右される

分包フィルムや化粧箱の費用は、業界の公開情報では1箱あたり数十円から150円程度が目安とされています。包装は後から変えると設計をやり直すことになるため、製造仕様を固める段階で決めてください。

ロット・費用・期間の目安

ロット・費用・期間の目安|図解

多くの記事が「要問い合わせ」で止める部分です。明示できる範囲で整理します。

健康食品区分は1,000個・約3ヶ月から

青汁は健康食品区分にあたります。ブギウギ株式会社では、サプリメント・健康食品については1,000個からのご相談を承っており、期間は打ち合わせから納品まで約3ヶ月が目安です。

100個程度の極小ロット対応は化粧品OEMに限定した条件で、青汁には適用されません。数量の差は初回に抱える在庫の差です。テスト販売から入る考え方は小ロットで始めるときの考え方で扱っています。

個数と重量の換算

青汁のOEM情報は重量で示されることが多く、個数と並べると比較しにくくなります。一般的な仕様での換算は次のとおりです。

単位換算
1包約3g
1箱(30包入り)約90g
1,000個(=1,000箱)30,000包・約90kg

3g×30包という標準的な仕様での計算で、1包の量や包数を変えれば重量も変わります。業界で公開されている最低ロットは60kg程度から100kg程度の幅があり、1,000個はその範囲に収まります。重量で示された条件と比較するときは、まず包数と1包量を揃えてください。同じ「100kg」でも1包2gと3gでは箱数が1.5倍違います。

原料グレードと包装仕様で費用が動く

見積金額を動かす要因は限られています。

  • 原料の種類と産地、グレード(明日葉は高め、国産指定でも上がる)
  • 包装仕様(分包の有無、資材の遮光性、化粧箱の作り)
  • 造粒など加工工程の追加
  • 機能性表示食品にする場合の届出関連費用
  • 試作の回数

内訳の読み解き方は費用の内訳と見積書の読み方にまとめています。青汁の変動要因は原料と包装に集中します。この2つを先に固めれば見積を横並びで比較できます。

機能性表示食品にするかどうかの判断

機能性表示食品を狙うかどうかは、商品設計の早い段階で決める論点です。届出の有無で書ける訴求が変わります。

一般の健康食品では書けない訴求がある

届出をしない一般の健康食品では、身体の機能や部位への作用を書けません。健康増進法第65条が健康保持増進効果に関する虚偽・誇大な表示を禁じているためです。

書けない表現理由
免疫力を高める医薬品的な効能の標榜にあたる
デトックス・毒素を排出同上
痩せる・脂肪燃焼身体機能の改変効果の標榜
便秘が治る疾病の治療を想起させる
1日3包を食前に用法用量の指定は医薬品的(「目安量」と書く)

腸内環境を打ち出したい場合、一般の健康食品のままでは「食物繊維を含む」という成分の事実までしか書けません。

青汁の届出で使われている機能性関与成分

届け出れば、その範囲で機能性を表示できます。青汁にも届出された製品があります。

「まるっと健康これ一杯青汁」(届出番号 I377)が一例です。機能性関与成分としてGABA 12.3mgとイソマルトデキストリン(食物繊維)2.13gを届け出ています。GABAには血圧が高めの方に適した機能が報告されています。難消化性デキストリンでは食後の血中中性脂肪や血糖値の上昇を抑える機能です。

青汁そのものではなく、後から加えた成分を関与成分にするのが一般的な組み立てです。届け出た製品は消費者庁の届出情報検索で確認できます。

届出の負担と判断の分かれ目

機能性表示食品は国の審査を受ける制度ではなく、事業者が自らの責任で科学的根拠を届け出る制度です。根拠の妥当性と事後チェックの責任は事業者が負います。

判断の材料届出する届出しない
書ける訴求届出範囲の機能性成分を含む事実まで
費用と期間関与成分の確保と届出作業が加わる通常の製造工程のみ
適する販路定期購入・比較検討される市場価格や味で選ばれる市場

判断の目安は販路です。EC定期購入のように比較検討される市場では、届出の有無が差になります。価格で選ばれる商品なら、届出のコストが利益を圧迫します。対応できるかは受託先で差が出るので、検討する場合は初回の相談時に確認してください。

本記事の根拠法令・出典

法令・公的資料位置づけ
食品表示法(消費者庁)原材料名・アレルゲン・栄養成分などの義務表示を定める
健康増進法(e-Gov法令検索)第65条で健康保持増進効果に関する虚偽・誇大表示を禁止する
機能性表示食品について(消費者庁)届出制度の要件と手続きを定める
機能性表示食品の届出情報検索(消費者庁)届出済み製品の関与成分と表示内容を確認できる

まとめ

青汁のOEMは健康食品区分にあたり、1,000個・約3ヶ月からの委託が目安です。重量に換算すると約90kgで、業界で公開されている60kg〜100kg程度の水準に収まります。

商品の輪郭を決めるのは原料です。クセの少なさなら大麦若葉、栄養価ならケール、食物繊維量なら明日葉。ただし明日葉は原料費が高く、価格帯との兼ね合いで決まります。粉末という剤形には沈殿とざらつきという固有の課題があり、試作で実際に溶かして確認する工程を省けません。

市場全体は約988億円まで縮みましたが、減ったのは店頭のついで買いです。通販の定期購入は主戦場として残り、有機と機能性表示食品が伸びています。販路をECに置くなら、届出の有無が比較検討される場面での差になります。

よくある質問

青汁OEMの最低ロットは何個からですか

健康食品区分のため、一般には1,000個からの相談が中心です。ブギウギ株式会社でもサプリメント・健康食品は1,000個からのご相談を承っています。化粧品OEMの100個という条件は青汁には適用されません。

重量に換算すると、1包3g・30包入りの標準的な仕様で約90kgです。業界で公開されている最低ロットは60kg程度から100kg程度の幅があるため、比較するときは1包量と包数を揃えてください。

青汁のOEM費用はどのくらいかかりますか

原料の種類とグレード、包装仕様、加工工程、試作回数で変わります。青汁の場合は原料と包装の2つが変動幅の大半を占めます。

分包フィルムと化粧箱の費用は、業界の公開情報では1箱あたり数十円から150円程度が目安とされています。明日葉のように原料費が高い素材を選ぶと、同じロットでも原価が上がります。

原料は大麦若葉とケールのどちらを選べばよいですか

飲みやすさを優先するなら大麦若葉です。ケールに比べてにおいと味のクセが少なく、青汁に慣れていない層にも届きます。産地は九州地方の流通量が多く、国産の訴求もしやすい素材です。

栄養価を前面に出すならケールです。βカロテンやビタミンC・E・Kを豊富に含みますが、苦みが残ります。定期購入で継続率を重視するなら、フルーツや乳酸菌と組み合わせて飲みやすさを補ってください。

機能性表示食品として届け出ることはできますか

できます。青汁ではGABAや難消化性デキストリンを機能性関与成分として届け出た製品があります。青汁の原料そのものではなく、後から加えた成分を関与成分にする組み立てが一般的です。

国の審査を受ける制度ではなく、事業者が自らの責任で科学的根拠を届け出る制度です。届出に対応できるかは受託先によって差があるため、初回の相談時に確認してください。

完成までどのくらいの期間がかかりますか

打ち合わせから納品まで約3ヶ月が目安です。企画、試作、表示の確認、製造という順で進みます。

期間が延びる要因は試作の回数です。粉末は沈殿やざらつきを実際に溶かして確認する必要があり、味の調整と合わせて複数回の試作になることがあります。機能性表示食品として届け出る場合は、届出の受理を待つ期間が別に加わります。