「サロンの物販に自社ブランドの美容ドリンクを置きたい」——そう考えて見積もりを取ると、想定より最低ロットが大きくて驚くことがあります。コラーゲンドリンクのOEMとは、コラーゲンペプチドを配合した飲料の処方設計から充填・包装までを受託製造会社に委託し、自社ブランドとして販売する仕組みのことです。飲料は容器の仕様が製造ラインを決めるため、最低ロットは中身ではなく容器で決まるという点が、粉末やカプセルのサプリと大きく異なります。
この記事の要点
コラーゲンドリンクのOEMは容器で最低ロットが変わり、小容量の瓶ほど本数が増えます。
この記事でわかること
- 魚由来・豚由来などコラーゲンペプチド原料の違いと選び方
- 瓶・パウチなど容器ごとに変わる最低ロットと製造単価の目安
- 企画から納品までの工程と、各段階に必要な期間
- 機能性表示食品として届け出る場合の要件と流れ
- 美容系の訴求で使える表現と使えない表現の線引き
コラーゲンドリンクOEMとは
コラーゲンドリンクOEMとは、委託者のブランド名で美容ドリンクを製造してもらう受託製造の形態を指します。受託側が処方設計・原料調達・充填・ラベル貼りまでを担い、委託者は企画と販売に集中できます。
飲料の受託製造には、粉末やカプセルのサプリメントとは異なる特徴があります。液体を扱うため充填ラインの制約が大きく、殺菌方法や賞味期限の設計も処方と一体で決まる点。容器を変えるとラインごと変わるため、途中での仕様変更が効きにくいという事情もあります。
コラーゲンドリンクは食品であり、医薬品でも化粧品でもありません。この区分が、後述する表示ルールの前提になります。製造には食品衛生法に基づく営業許可が必要で、受託先が飲料の製造許可を持っているかは最初に確認します。
ドリンクとゼリー・粉末の使い分け
同じ原料でも剤形で売り方が変わります。ドリンクは単価が高くなりやすい反面、定期購入と相性が良い形態。持ち運び重視なら粉末スティックという選択肢もあります。粉末やカプセルなど他の剤形も含めて検討する場合は、サプリメントOEMの流れと費用相場もあわせて確認すると選びやすくなります。
原料コラーゲンペプチドの種類と選び方

コラーゲンドリンクの設計は、原料ペプチドの由来を決めるところから始まります。流通している原料は大きく魚由来と豚由来に分かれ、コストと風味の出方が異なります。
| 原料の由来 | 主な部位 | 特徴 | 向いている商品 |
|---|---|---|---|
| 魚由来(マリン) | うろこ・皮 | 独特のにおいが出やすく、マスキング設計が要る | 美容領域の商品・宗教上の配慮が必要な市場 |
| 豚由来 | 皮 | 流通量が多く原料価格を抑えやすい | 価格訴求型の商品 |
原料は分子量によっても区分されます。ペプチドに分解する度合いによって「低分子」「超低分子」と呼び分けられ、分子量が小さいものほど原料単価は上がる傾向。同じ配合量でも原価が変わるため、想定小売価格から逆算して選びます。
においと味の設計が、コラーゲンドリンクの成否を分けます。配合量を増やすほど原料由来の風味が立つため、酸味や果汁で整える処方設計が必要です。試作段階で必ず現物を飲んで確認してください。
1本あたりの配合量は、競合商品の水準を調べたうえで価格帯に見合う量に設定します。配合量を売りにする設計は分かりやすい反面、原価と風味の両方に跳ね返る点は織り込んでおきます。
容器とロットの関係・費用の目安
飲料OEMで最初に確認すべきは、希望する容器の最低ロットです。容器ごとに充填ラインが決まっており、小容量の瓶ほどロットが大きくなる傾向があります。
| 容器 | 最低ロットの目安 |
|---|---|
| 30ml瓶 | 20,000本前後〜 |
| 50ml瓶 | 10,000本前後〜 |
| 300〜360ml瓶 | 2,000本前後〜 |
| 500〜720ml瓶 | 1,000本前後〜 |
| 紙パック・パウチ(300ml) | 2,000本前後〜 |
美容ドリンクで一般的な50ml前後の小瓶は、実は最低ロットが大きい部類に入ります。「小さい容器なら少量から作れる」という直感とは逆になる点は、企画段階で押さえておきたいところ。
製造単価は1本あたり120〜600円程度が一つの目安で、配合する原料と容器の仕様によって幅があります。これに加えて試作費用が3〜10万円程度、ラベルや化粧箱の製作費が別途かかります。
ロットと納期の考え方
化粧品以外のOEM商材は、一般に1,000個前後からの受注が中心です。ブギウギ株式会社でも、健康食品・ドリンク類については1,000個からのご相談を承っており、期間は打ち合わせから納品まで約3ヶ月が目安となります。ただし飲料は容器の仕様で実際の最低ロットが変わるため、容器が決まった段階で個別に確認します。なお100個程度の極小ロット対応は化粧品OEMに限定した条件であり、ドリンク類には適用されません。粉末やカプセルなど他剤形での小ロット製造を検討する場合は、サプリメントを小ロットで作る手順と費用も参考になります。
製造の流れと期間の目安

コラーゲンドリンクの商品化は、おおむね5段階で進みます。全体で約3ヶ月が目安ですが、容器の調達状況によって前後します。
- 企画・コンセプト設計(2〜3週間):ターゲット・想定小売価格・容器の方向性を決める
- 処方設計・試作(3〜4週間):配合量と風味を調整し、現物で確認する
- 容器・ラベルの確定(2〜3週間):容器を選定し、表示内容の法令適合を確認する
- 賞味期限の設定(2〜4週間):殺菌条件を決め、保存試験のデータを取る
- 量産・充填・納品(3〜4週間):製造して検査を経て出荷する
粉末やカプセルより工程が長くなるのは、4番目の賞味期限設定があるためです。保存性の検証は短縮が難しく、スケジュールに必ず織り込んでおきます。
表示ラベルには、名称・原材料名・添加物・内容量・賞味期限・保存方法・製造者の記載が食品表示法で義務づけられています。魚由来のコラーゲンを使う場合、原料魚の種類によってはアレルゲン表示の対象になります。
機能性表示食品にする場合の要件と表示ルール
コラーゲンドリンクは、一般の健康食品として販売する方法と、機能性表示食品として届け出る方法の2つがあります。どちらを選ぶかで、パッケージや広告で言えることが変わります。
一般の健康食品として販売する場合
届出は不要ですが、身体への効果を標榜できません。健康増進法第65条は、健康保持増進効果について著しく事実に相違する表示、著しく人を誤認させる表示を禁じています。
食品として販売に供する物に関して広告その他の表示をするときは、健康の保持増進の効果等について、著しく事実に相違する表示をし、又は著しく人を誤認させるような表示をしてはならない。
出典:消費者庁
美容ドリンクで起こりがちな違反表現は次のとおりです。
| 使えない表現 | 理由 |
|---|---|
| シワが消える・肌が若返る | 医薬品的な効能の標榜にあたる |
| 飲むだけで美肌になる | 著しく人を誤認させる表示 |
| アンチエイジング | 身体機能の改変効果の標榜 |
| 体験談で劇的な変化を示す | 表示全体として誤認を招く |
言えるのは、栄養補給に関する事実や「美容を気遣う方へ」といった対象者の提示までです。
機能性表示食品として届け出る場合
科学的根拠を消費者庁に届け出ることで、特定の機能性を表示できる制度です。個別審査はありませんが、届出が公表されてから60日を経過すると販売できます。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 科学的根拠 | 臨床試験または研究レビューによる根拠が必要 |
| 届出 | 消費者庁へ届出し、公表後60日経過で販売可能 |
| 容器包装表示 | 「機能性表示食品」の枠囲み表示・届出番号・関与成分名と含有量 |
| 表示の逐語性 | 届出表示をそのまま使う(改変・要約は事後チェックの対象) |
届出には相応の時間とコストがかかるため、初回ロットから目指すケースは多くありません。
本記事の根拠法令・出典
| 法令・公的資料 | 位置づけ |
|---|---|
| 食品表示法(消費者庁) | 名称・原材料名・アレルゲン・賞味期限などの義務表示を定める |
| 機能性表示食品制度(消費者庁) | 届出の要件・容器包装表示・届出表示の取扱いを定める |
| 健康増進法(消費者庁・虚偽誇大広告) | 健康保持増進効果に関する虚偽・誇大表示を禁止する |
| 食品の安全に関する情報(厚生労働省) | 食品衛生法に基づく製造・営業許可の枠組み |
まとめ
コラーゲンドリンクのOEMは、原料ペプチドの由来を決め、容器を選び、そこから最低ロットと単価が確定するという順序で進みます。中身より容器が制約になる点が、粉末やカプセルのサプリとの最大の違いです。
美容ドリンクで人気の50ml前後の小瓶は最低ロットが大きくなりやすいため、初回は容量の大きい容器やパウチを選ぶ選択肢も検討してください。製造単価は1本120〜600円程度、期間は約3ヶ月が目安となります。
表示・広告で言える範囲は、一般の健康食品として売るか機能性表示食品として届け出るかで変わります。まず前者で発売し、実績を見てから届出を検討する進め方が無理のない選択です。
よくある質問
コラーゲンドリンクのOEMは何本から作れますか?
容器によって大きく変わります。500ml前後の瓶やパウチであれば1,000本前後から、美容ドリンクで多い50ml瓶になると10,000本前後が目安です。ブギウギ株式会社では健康食品・ドリンク類について1,000個からご相談を承っています。実際の最低ロットは容器の仕様によって変わります。
製造単価はどのくらいですか?
1本あたり120〜600円程度が一つの目安です。配合するコラーゲンペプチドの量と分子量、容器の仕様、殺菌方法によって幅があります。これとは別に試作費用が3〜10万円程度、ラベルや化粧箱の製作費が必要になります。
魚由来と豚由来はどちらを選ぶべきですか?
商品のコンセプトと販売先で選びます。豚由来は流通量が多く原料価格を抑えやすい一方、魚由来は宗教上の理由で豚を避ける市場にも展開しやすい特徴があります。魚由来は独特のにおいが出やすいため、風味を整える処方設計が必要です。
納品までどのくらいかかりますか?
打ち合わせから納品まで約3ヶ月が目安です。企画・処方設計・容器確定・賞味期限の設定・量産という流れで進み、飲料は保存試験に時間がかかるため粉末やカプセルより工程が長くなります。
「肌にうるおいを与える」と書いてもよいですか?
一般の健康食品として販売する場合、身体への効果を示す表現は使えません。この種の表現を使うには機能性表示食品として科学的根拠を届け出る必要があり、届出表示をそのままの文言で使うことが求められます。届出のない商品では「美容を気遣う方へ」といった対象者の提示までにとどめます。
機能性表示食品にするとどのくらい費用と時間がかかりますか?
臨床試験を実施するか研究レビューを行うかで大きく変わります。届出が公表されてから60日を経過しないと販売できないため、その期間も見込んでおきます。まず一般の健康食品として発売し、実績を作ってから検討する事業者が多い状況です。

