施術後のホームケアを市販品で代用させるか、自院ブランドで揃えるか——多くの皮膚科・美容クリニックが物販強化の分かれ道で悩みます。クリニックの化粧品OEMとは、自院ブランドで院内専売の化粧品を企画し、専門メーカーに製造委託する仕組みのことです。一般的な最低ロット1,000個は外来規模の小さいクリニックには重いため、本記事では100個程度から始める現実的な選択肢と医療広告の注意点を整理します。
この記事の要点
クリニックの化粧品OEMは施術後ケアと院内専売スキンケアの2系統で企画し、化粧品なら100個から作れます。
この記事でわかること
- クリニックの化粧品OEMの定義と、ドクターズコスメ・院内専売品の使い分け
- 100個程度の極小ロットから始める具体的な進め方
- 医療広告ガイドライン・薬機法でつまずきやすいラベル/広告表現
- 皮膚科・美容クリニックが失敗しないメーカー選びの4軸
クリニックの化粧品OEMとは

クリニックの化粧品OEMでは、医療機関が自院ブランドで化粧品を企画し、OEMメーカーに製造を委託します。皮膚科・美容皮膚科・美容外科などで、施術後のホームケア提案や物販棚での販売を目的に導入されます。
ドクターズコスメと院内専売品の違い
クリニックが扱う自院ブランド化粧品は、大きく「ドクターズコスメ」と「院内専売スキンケア」に分かれます。
| 区分 | 特徴 | 販売チャネル |
|---|---|---|
| ドクターズコスメ | 院長・医師の処方監修を打ち出すブランド | 自院・系列医療機関・公式EC |
| 院内専売スキンケア | 院長監修は明示せず、自院ブランドで販売 | 自院・公式EC |
ドクターズコスメは「医師監修」の権威性が訴求軸ですが、医療広告ガイドラインによる規制を踏まえた運用が求められます。院内専売スキンケアは比較的自由度が高く、化粧品としての通常の規制(薬機法・景品表示法)に従えば運用できます。院内ブランドの立ち上げに焦点を当てた手順はクリニック専売OEMでブランドを立ち上げる方法で解説しています。
化粧品と医薬部外品の使い分け
クリニック向けOEMで扱う商材は、化粧品と医薬部外品に分かれます。
| 区分 | 効能の標榜範囲 | 認可・期間 |
|---|---|---|
| 化粧品 | 厚労省定める56項目の範囲内 | 化粧品製造販売届のみ |
| 医薬部外品 | 個別承認された効能(美白・肌荒れ防止・育毛など) | 厚労省への承認申請が必要 |
医薬部外品は「メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ」「肌荒れを防ぐ」など、化粧品では言えない効能を標榜できます。ただし承認申請に1年以上かかる場合もあるため、初回は化粧品で始めるケースが現実的です。医薬部外品でのブランド展開を視野に入れる場合は、医薬部外品をOEMで作る流れと承認の実務で許可区分や期間の見通しを確認できます。
クリニック向けOEMで企画される商材

クリニック向けOEMでは、施術連動の商材と日常スキンケア商材を組み合わせて企画するのが一般的です。
施術後ケア商材
施術直後の肌に使うことを想定した、低刺激・高保湿の商材が中心です。
| 商材 | 想定用途 |
|---|---|
| 鎮静用保湿クリーム | レーザー・ピーリング後の鎮静ケア |
| 集中ケア美容液 | ダウンタイム中の保湿補強 |
| シートマスク | 施術後の集中保湿 |
| 低刺激日焼け止め | 施術後のUV対策 |
施術メニューと連動した商品は、診察室でのカウンセリングから自然な提案ができ、購入率が高い傾向があります。
院内専売スキンケア
施術の有無に関わらず、日常スキンケアとして購入できる商材です。
| 商材 | 想定価格帯 |
|---|---|
| 化粧水・美容液 | 4,000〜12,000円 |
| 美容クリーム | 6,000〜18,000円 |
| 洗顔・クレンジング | 3,000〜8,000円 |
| 日焼け止め | 3,000〜6,000円 |
| ビタミンC・レチノール系美容液 | 5,000〜15,000円 |
院内専売スキンケアは「医師が選ぶ処方」「自院の患者層に合わせた成分配合」を訴求軸にしやすく、市販品との明確な差別化が可能です。
クリニック向けOEMの進め方

一般的な流れは6ステップです。BOOGIE WOOGIEのような小ロット対応OEMの場合、相談から納品まで約1〜3ヶ月程度が目安です。
ステップ1:コンセプト・診療科目との連動設計
最初に「誰の・どんな悩みを・どう解決するか」を診療科目と関連付けて言語化します。例えば、美容皮膚科であればシミ・くすみ・エイジング、皮膚科であれば敏感肌・乾燥肌・ニキビケアなど、外来患者の主訴と商品の役割を一致させます。
ステップ2:OEMメーカーの選定
複数メーカーに問い合わせ、対応ロット・医薬部外品対応・医療広告知見・ブランディング支援の4軸で比較します。クリニック向けOEMでは、薬機法だけでなく医療広告ガイドラインへの知見もあるメーカーが望ましいです。
BOOGIE WOOGIEでは化粧品OEMに限り100個程度から相談を受けており、製造に加えてロゴ設計・パッケージデザイン・公式サイト制作までを社内チームで対応可能です。
ステップ3:処方提案・試作
メーカーが処方案を提示し、サンプルで使用感・刺激性・テクスチャを確認します。クリニックの場合、医師・看護師による試用評価と、可能なら患者モニターの反応も収集することが推奨されます。
既存処方ベースと新規処方の使い分け
| 開発方式 | 期間 | 費用 |
|---|---|---|
| 既存処方ベース | 約1〜2ヶ月 | 抑えやすい |
| 既存処方カスタム | 約2〜3ヶ月 | 中程度 |
| 新規処方開発 | 約3〜6ヶ月 | 高め |
初回は既存処方ベースから始め、リピート発注時にカスタムへ進める設計が現実的です。
ステップ4:容器・パッケージデザイン
容器の素材・形状・キャップ・ラベルを決めます。クリニック向けは清潔感のあるシンプルなデザイン(白・モノトーン・院ロゴのみ)が好まれる傾向があります。100個の極小ロットでは既製品ストック容器の活用が現実的です。
ステップ5:薬事チェック・医療広告ガイドラインの確認
容器表示・販売時のキャッチコピー・院内POPが薬機法・景品表示法・医療広告ガイドラインに適合しているか、メーカー側でチェックします。
化粧品の効能効果は厚生労働省が定める56項目の範囲内のみが標榜可能です。「医師監修」を打ち出す場合は、医療広告ガイドラインに沿った表現に整える必要があります。
ステップ6:製造・納品・販売開始
工場で製造・充填・包装が行われ、検品後にクリニックへ納品されます。BOOGIE WOOGIEの化粧品OEM・100個の極小ロットの場合、最短約1ヶ月程度での納品が可能です。
納品後は院内POP・カウンセラー向けトーク資料・公式サイト・LINE告知文を準備し、販売開始に備えます。
費用と納期の目安
クリニック向け化粧品OEMの費用と納期の目安を整理しました。
費用の内訳
| 費用項目 | 100個の場合の目安 |
|---|---|
| 処方開発費 | 既存処方ベースなら抑えやすい・新規開発は高め |
| 試作費 | 1試作あたり数千円〜数万円(無料のメーカーもあり) |
| 容器・パッケージ費 | 1個あたり数十円〜数百円(既製品) |
| 製造費(中身代) | ロット数と処方で変動 |
| デザイン費 | デザイン会社・自前で差が大きい |
100個の極小ロットの場合、総額で1個あたり数千円〜1万円台が目安です。クリニック内での販売価格はその2〜3倍に設定し、診療単価との整合を取る設計が一般的です。
納期の目安
| 条件 | 納期 |
|---|---|
| 化粧品OEM・100個(既存処方ベース) | 約1ヶ月〜(BOOGIE WOOGIEの場合) |
| 化粧品OEM・500〜1,000個(新規処方) | 約3ヶ月〜 |
| 医薬部外品OEM | 1年以上(承認申請を含む) |
医薬部外品は承認申請に時間がかかるため、開業直後のクリニックは化粧品OEMから始めるのが現実的です。
クリニック向けOEMメーカーの選び方

失敗を避けるために、メーカー選びでは4つの軸を確認することが推奨されます。
軸1:最低ロットと小ロット対応
開業直後・患者数が安定していない時期は、100個程度の極小ロットから相談できるメーカーを選ぶと在庫リスクを最小化できます。BOOGIE WOOGIEのように化粧品OEMで100個から相談を受けるメーカーは、小規模クリニック・分院との相性が良好です。
軸2:医薬部外品対応の有無
将来的に医薬部外品(美白・肌荒れ防止・育毛など)の自院ブランドを展開する可能性がある場合、医薬部外品の製造・承認申請に対応できるメーカーかを確認します。
軸3:医療広告ガイドライン・薬機法の知見
クリニックの広告は医療広告ガイドラインの規制対象です。化粧品の販促物が医療広告と一体で運用されるケースが多いため、両方の規制に詳しいメーカーが安心です。
軸4:ブランディング支援の有無
製造に加えてロゴ・パッケージ・院内POP・公式サイトまで一貫して相談できると、クリニック側の作業負担を大きく減らせます。BOOGIE WOOGIEは製造とブランド設計を社内チームで一気通貫対応しています。
クリニックの広告表現で注意したいポイント
クリニックが自院ブランド化粧品を販促する際の注意点を整理します。化粧品としての規制(薬機法・景品表示法)に加えて、医療広告ガイドラインの規制も重畳的に適用されます。
何人も、医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関して、文書その他いかなる方法によるを問わず、広告その他の医療を受ける者を誘引するための手段としての表示(以下この節において単に「広告」という。)をする場合には、虚偽の広告をしてはならない。
出典:医療法 第6条の5(e-Gov法令検索)
化粧品として禁止される表現
- 「シミが消える」「シワを治す」「肌が若返る」などの治療・改善表現
- 「肌の奥まで浸透」(化粧品は「角質層まで」と明記する必要があります)
- 「アンチエイジング」「美白する」(化粧品では原則使用不可)
- 「アトピー・敏感肌に効く」など疾患名と効能を結びつける表現
- 「最高」「No.1」「絶対」「完全」などの最大級表現
医療広告ガイドラインで注意する表現
- 「医師監修」「ドクターズコスメ」の表現は事実に基づく場合のみ可
- 「絶対安全」「副作用なし」「100%効果」などの保証表現は禁止
- 患者の体験談(ビフォーアフター写真など)は限定的にのみ使用可
「医師監修」を訴求する場合は、監修内容(処方提案・成分選定・品質確認など)を具体的に記載することが推奨されます。詳細は医療広告ガイドラインを参照してください。
本記事の根拠法令・出典
本記事で言及した規制・表現ルールの根拠は以下のとおりです。
| 法令・公的資料 | 位置づけ |
|---|---|
| 医薬品医療機器等法 第66条(e-Gov法令検索) | 化粧品を含む誇大広告の禁止(本文で条文を引用) |
| 化粧品の効能の範囲について(厚生労働省) | 化粧品が標榜できる効能56項目 |
| 不当景品類及び不当表示防止法(e-Gov法令検索) | 優良誤認・有利誤認など不当表示の禁止(景品表示法) |
| 医療法 第6条の5(e-Gov法令検索) | 医療広告の規制(本文で条文を引用) |
| 医療法における広告規制(厚生労働省) | 医療広告ガイドライン |
まとめ
クリニックの化粧品OEMは、化粧品に限れば100個程度の極小ロットから相談できる選択肢があります。施術後ケア商材と院内専売スキンケアを組み合わせて企画し、診療科目・患者層と連動した商品設計を行うことで、医療と物販の体験を一貫させられます。BOOGIE WOOGIEでは化粧品OEM100個・最短約1ヶ月での納品にも対応しているため、開業直後・分院展開中の小規模クリニックの選択肢になり得ます。
メーカー選びでは最低ロット・医薬部外品対応・医療広告知見・ブランディング支援の4軸を確認し、院内POPや公式サイトの文言は薬機法・景品表示法・医療広告ガイドラインの3つの観点で事前にチェックを通す運用が安全です。商品ジャンルやロット数が未定の段階でも相談は可能なので、構想段階から情報収集を始めてください。
よくある質問
クリニックの化粧品OEMは何個から作れますか?
化粧品OEMの場合、100個程度の極小ロットから相談できるメーカーがあります。施術後ケア商材から始めて、患者の反応を見ながらラインナップを拡げる進め方が現実的です。
ドクターズコスメと院内専売スキンケアの違いは何ですか?
ドクターズコスメは「医師監修」を打ち出すブランドで、医療広告ガイドラインによる規制を踏まえた運用が求められます。院内専売スキンケアは医師監修を明示せず、化粧品としての通常の規制(薬機法・景品表示法)に従って運用します。
クリニック向け化粧品OEMの費用相場はいくらですか?
100個の極小ロットの場合、総額で1個あたり数千円〜1万円台が目安です。処方・容器・デザイン・薬事チェックの組み合わせで変動するため、複数メーカーで見積もりを取って比較してください。
医薬部外品(美白系など)も自院ブランドで作れますか?
可能ですが、医薬部外品は厚生労働省への承認申請が必要で、承認まで1年以上かかる場合があります。開業直後のクリニックは化粧品OEMから始めるのが現実的です。
クリニック向けOEMの納期はどれくらいですか?
化粧品OEM・100個の極小ロット・既存処方ベースの場合、BOOGIE WOOGIEでは最短約1ヶ月程度での納品が可能です。新規処方開発を伴う場合は約3ヶ月程度を見込んでください。
「医師監修」と書いて販売しても問題ありませんか?
事実に基づく場合は問題ありませんが、医療広告ガイドラインに沿った表現に整える必要があります。監修内容(処方提案・成分選定など)を具体的に記載することが推奨されます。

